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電子帳簿保存法とは?改正内容や申請方法について詳しく解説

従来、国税関係の帳簿や書類は紙による保存が基本でしたが、電子帳簿保存法によって、電子データでの保存もできるようになりました。経理の業務効率化を進めるうえでは、電子データの保存は不可欠ともいえます。電子帳簿保存法は2020年にも改正され、電子取引における電子データの保存要件が緩和されました。

本記事では、電子帳簿保存法の概要や2020年の改正内容、税務署への申請方法などについてご紹介します。

目次
  1. 電子帳簿保存法とは
  2. 電子データの保存に欠かせないタイムスタンプ
  3. 【2020年】電子帳簿保存法の主な改正内容
  4. 電子保存できる書類
  5. スキャナ保存できる書類
  6. 税務署への事前申請が必要な保存方法
  7. 電子帳簿保存法を適用するメリット
  8. 電子帳簿保存法を適用するデメリット
  9. 請求書等はPaidの導入ですべて電子化できる
  10. まとめ

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、国税関係の帳簿類や証憑(しょうひょう)類を電子データで保存することを認める法律です。

会計帳簿や決算書類、取引の証拠となる証憑書類は、7年間の保存が義務付けられています。従来は紙で保存するのが基本であったため、電子データで作成された帳簿を印刷して保存する企業が少なくありませんでした。

そこで時代の要請に合わせて帳簿類などの保存の手間を軽減することを目的として制定されたのが、電子帳簿保存法です。電子帳簿保存法は1998年に成立し、時代に即して数回改正されてきています。

電子帳簿保存法で認められている保存方法は次の3つです。

  • 電磁的記録による保存
  • COMによる保存
  • スキャナによる保存

電磁的記録による保存とCOMによる保存は、パソコンで作成した書類を電子データで保存する方法です。スキャナによる保存は既に紙で作成されている書類の保存方法になります。

電磁的記録による保存

電磁的記録による保存とは、業務システムなどを利用して作成段階から一貫してパソコンで作成した書類データの保存です。DVDやCDなどの外部媒体の他、サーバに保存することも可能です。

COMによる保存

COMとは「電子計算機出力マイクロフィルム」のことで、電磁的記録と同様にパソコン上で作成したデータを写真フィルムで保存する方法です。長期間保管に向いているとされていますが、利用している企業はほとんどいないでしょう。

スキャナによる保存

スキャナによる保存は、すでに紙で作成された書類をスキャンしてデータ化し保存する方法です。スキャナによる保存は2005年の改正以降に認められるようになり、その後も改正によって要件が緩和されています。

2005年に改正された際には、コピー機のスキャナ機能など原稿台と一体型のスキャナが対象で、記載金額が3万円以下の書類に限られ電子署名が必要でした。

しかし2015年の改正で記載金額が3万円以上の書類も対象となり、電子署名が廃止されタイムスタンプの付与が必要になりました。そして2016年の改正では、デジタルカメラやスマートフォンで撮影したデータも認められるようになりました。

電子データの保存に欠かせないタイムスタンプ

スキャナ保存では、タイムスタンプの付与が義務付けられています。タイムスタンプは時刻認証とも呼ばれ、ある時刻にその電子データが確実に存在していたことや、その時刻以降に改ざんされていないことを証明するものです。電子データにはいつ作られたものか判断ができない、改ざんがしやすいといった問題点があるため、タイムスタンプはその解決策として用いられています。

タイムスタンプを取得するには、まず利用者は該当する電子データのハッシュ値を計算し、「TSA(タイムスタンプ局)」に送信します。そして「TSA」は、ハッシュ値と時刻情報を結合した「タイムスタンプトークン」に秘密鍵で署名して、利用者に送信することで付与されます。

電子データが改ざんされていないか検証する際には、電子データを再計算したハッシュ値と、「タイムスタンプトークン」を公開鍵で複合したハッシュ値が一致するかの確認が行われる仕組みです。

【2020年】電子帳簿保存法の主な改正内容

2020年の電子帳簿保存法の改正では、電子取引で受け取った請求書などを電子データのまま保存する場合の要件が緩和されました。

------------------------(引用)------------------------

4 電子帳簿等保存制度の見直し
(国 税)
国税関係帳簿書類の保存義務者が電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。)を行った場合の電磁的記録の保存方法の範囲に、次の方法を加える。
(1)発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合において、その電磁的記録を保存する方法
(2)電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む。)において、その電磁的記録の授受及び保存を行う方法
(注)上記の改正は、令和2年 10 月1日から施行する。

------------------------(引用)------------------------

引用元:財務省

2020年の電子帳簿保存法の改正前は、電子取引を行った際の請求書などを電子データで受け取った場合、そのまま保存するためには2つの方法が認められていました。ひとつは電子データの受領後に、遅滞なくタイムスタンプを付与する方法。もうひとつは改ざん防止等のための事務処理規程を定めて運用する方法です。

今回の改正で緩和されたのは以下の2点です。

  • 発行側のタイムスタンプ付与で受領側のタイムスタンプ付与が不要
  • 受領側のデータ改変できないシステムの利用でタイムスタンプ付与が不要

電子取引による請求書などの電子データに、発行側がタイムスタンプを付与している場合は、受領側のタイムスタンプの付与は不要となりました。また、受領側がデータ改変できないシステムを使っている場合は、タイムスタンプの付与自体が不要となっています。

発行側のタイムスタンプ付与で受領側のタイムスタンプ付与が不要

改正前は電子取引による請求書などの電子データをそのまま保存する場合、発行側がタイムスタンプの付与を行っているかを問わず、受領側でタイムスタンプの付与が必要でした。

改正後は発行側が電子データにタイムスタンプを付与していれば、受領側でのタイムスタンプの付与が不要になりました。

受領側のデータ改変できないシステムの利用でタイムスタンプ付与が不要

改正前は受領側が自由にデータを改変できないシステムを使っていても、電子取引による請求書などの電子データをそのまま保存するには、受領側でタイムスタンプを付与する必要がありました。

改正後は、クラウドシステムなど受領側ではデータ改変ができないシステムを利用している場合は、タイムスタンプの付与が不要になっています。

電子保存できる書類

電子帳簿保存法で、電磁的記録やCOMによって電子保存できる書類として認められているのは、以下の帳簿や決算関係書類、証憑書類です。

帳簿 総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、経費帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上・仕入帳など
決算関係書類 貸借対照表、損益計算書、棚卸表、その他の決算に関係する書類
証憑書類 自社が発行した契約書、契約書の写し、領収書、請求書、見積書、注文書、納品書、検収書、契約の申込書、レシートなど

ただし、手書きで作成した帳簿や決算関係書類、証憑書類は対象になりません。

スキャナ保存できる書類

電子帳簿保存法において、スキャナ保存が認められているのは、以下の証憑書類です。

証憑書類 契約書、契約書の写し、領収書、請求書、見積書、注文書、納品書、検収書、契約の申込書、レシートなど

証憑書類は、自社で発行したものも受領したものもスキャナ保存が認められています。帳簿や決算関係書類はスキャナ保存が認められていません。

税務署への事前申請が必要な保存方法

国税関係の帳簿類や証憑類は以下のいずれの方法で保存する場合も、税務署へ申請を行い承認を得る必要があります。

  • 電子データ保存
  • スキャナ保存

電子データ保存もスキャナ保存も適用要件が決められており、申請期限までに必要な書類を揃えて申請することが必要です。

一方電子取引による電子データの保存は、税務署への申請は不要です。ただし、7年間保存することが義務付けられている点は同様です。

電子データ保存の場合

電磁的記録やCOMによって電子データ保存を行う場合の対象や適用の要件、税務署への申請に必要な書類や期限は以下のとおりです。

<電子データ保存の対象の帳簿・書類>

  • 自社においてパソコンで作成した帳簿(総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳など)
  • 自社においてパソコンで作成した決算書類(貸借対照表、損益計算書など)
  • 自社においてパソコンで作成した取引先に交付する証憑書類の控え(請求書や見積書、納品書など)

<電子データ保存の適用の要件>

要件 帳簿 書類
記録事項の訂正や削除を行った場合に、事実内容の確認が可能。 -
通常の業務処理期間を経過した後で入力した履歴を確認が可能。 -
電子化した帳簿とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項の関連性が相互に確認できる。 -
システム概要書やシステム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアルなどのシステム関係書類を備え付ける。
電子データの保存場所に、電子計算機やプログラム、ディスプレイ、プリンタとそれぞれの操作マニュアルを備え付ける。また、速やかにディスプレイの画面や紙に、記録事項を整然とした形式で明瞭な状態で出力できる。
取引年月日や勘定科目、取引金額の他、帳簿の種類に応じた主要な記録項目で検索できる。 (取引年月日・その他の日付で検索できる。)
日付や金額で範囲を指定して検索ができる。
2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索が可能。 -

<申請に必要な書類>

  • 承認申請書
  • システムの概要や操作説明書、電子計算機処理に関する事務処理の概要などの添付書類

ただし、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証するソフトウェアを使用するケースでは、簡素な様式の承認申請書を使用し、操作説明書などの添付を省くことができます。

<申請期限>

  • 帳簿…備え付けを開始する日の3か月前の日、ただし課税期間の途中からの適用は不可
  • 書類…保存を開始する前の3か月前の日

スキャナ保存の場合

デジカメやスマートフォンを含む、スキャナ保存を行う場合の対象や適用の要件、税務署への申請に必要な書類や期限は以下になります。

<スキャナ保存の対象の書類>

  • 取引先から受領した証憑書類(請求書や見積書、納品書など)
  • 自社で作成した取引先に交付する証憑書類の控え

<スキャナ保存の適用の要件>

スキャナ保存の適用の要件は、重要書類と一般書類では異なります。重要書類は、資金や物の流れに直結・連動する書類で、契約書や請求書、納品書、領収書が該当します。一般書類は資金や物の流れに直結・連動しない書類で、見積書や注文書、検収書などです。

重要書類 一般書類
スキャナ 解像度200dpi相当以上
赤色・緑色・青色の階調が256階調以上(24ビットカラー) 赤色・緑色・青色の階調が256階調以上(24ビットカラー)
入力期間 【早期入力方式】
受領後、約7営業日以内に入力

【業務処理サイクル方式】
最長2か月以内の業務の処理に係る通常の期間を経過後、約7営業日以内に入力
※国税関係の書類の受領から入力までの事務処理の規定を設けている場合
【適時入力方式】
適時入力
タイムスタンプの付与 一般財団法人日本データ通信協会が認定するタイムスタンプを一つの入力単位ごとに付与
受領者が読み取る場合は、受領後、署名をした上で読み取り、約3営業日以内にタイムスタンプを付与
読取情報の保存 読み取った際の解像度・階調・大きさに関する情報を保存
(A4以下の場合は大きさに関する情報は不要)
読み取った際の解像度・階調に関する情報を保存
ヴァージョン管理 記録事項の訂正や削除を行ったときに、その事実や内容を確認可能
適正事務処理要件 受領から入力までの各事務について、以下に関する規定を定めて運用
1.相互牽制
2.定期的な検査
3.不備が起きた場合の再発防止体制
※小規模企業者で2を税務代理人が行う場合は、1は不要
不要
帳簿との相互関係性の確保 国税関係書類に係る記録事項と、これに該当する国税関連書類に関連する国税関係帳簿の記録事項が、相互に関連性を確認できる
見読可能装置の備え付け等 14インチ以上のカラーディスプレイ、カラープリンタ、操作説明書の備え付け 14インチ以上のカラーディスプレイ、カラープリンタ、操作説明書の備え付け(グレースケール保存の場合は、カラー対応は不要)
次の4つの条件で速やかに出力が可能
・整然とした形式
・国税関係書類と同程度に明瞭
・拡大や縮小をして出力可能
・4ポイントのサイズの文字を認識できる
システムの開発関係書類の備え付け システムの概要に関する書類、開発において作成した書類、操作説明書、システムや電磁的記録の備え付け・保存に関する事務手続きの書類の備え付け
検索機能の確保 次の3つの要件による検索が可能
・取引年月日や勘定科目、取引金額のほか、主要な記録項目で検索ができる
・日付や金額で範囲を指定して検索ができる
・2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索ができる

<申請に必要な書類>

  • 承認申請書
  • システムの概要や操作説明書、電子計算機処理に関する事務処理の概要などの添付書類

申請に必要な書類は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証するソフトウェアを使用するケースでは、簡素な様式の承認申請書を使用できる点を含め、電子データ保存の場合と同様です。

<申請期限>

保存を開始する前の3か月前の日

電子帳簿保存法を適用するメリット

電子帳簿保存法を適用するメリットは、主に2つ挙げられます。

  • 帳簿の紛失・破損リスクがなくなる
  • 業務の効率化

帳簿や書類の紛失や破損リスクがなくなり、読みやすい状態で長期間保存することが可能です。また、確認したい帳簿や書類があるときに検索して探せるようになるため、業務の効率化にもつながります。

帳簿の紛失・破損リスクがなくなる

紙で保存していると、帳簿や決算関係書類、証憑書類の紛失、あるいは火事による消失が起こるリスクがあるほか、保存状態によっては経年劣化によって文字が判別しにくくなるなどのリスクがあります。

電子帳簿保存法を適用し電子データで保存すると、こうしたリスクがなくなり長期的に明瞭な状態で帳簿や書類を保存できる点がメリットです。また、紙の帳簿や書類を保存するためのスペースが不要になります。

業務の効率化

紙で保存している場合は過去の書類を確認する際に、帳簿や書類のファイルを1枚ずつ見て探すという手間のかかる作業が発生しました。電子帳簿保存法の適用によって電子データで保存するようになれば、帳簿や書類の確認したい箇所を検索して探せるようになるため、経理の業務の効率化が図れることもメリットに挙げられます。

電子帳簿保存法を適用するデメリット

電子帳簿保存法を適用して電子データで保存するには、クラウドサービスやソフトウェアの導入費用がかることがデメリットです。また電子帳簿保存法を初めて適用する際には、税務署への申請の手間がかかり、部署内での業務フローを構築する必要もあります。しかし電子データでの保存は、働き方改革のための業務改善や、経理のテレワークの推進にもつながります。

請求書はPaidの導入ですべて電子化できる

「Paid(ペイド)」を導入すれば、請求書の電子化はもとより、請求業務そのものをなくすこともできるため、大幅な業務効率化を図ることができます。「Paid」は与信審査から請求書発行、入金管理、督促までを代行するサービスで、取引先の未払い時の保証も付帯されているため未回収リスクもなくなり安心です。

必要な作業は取引先と請求情報の登録だけで、基幹システムなどとAPI連携して顧客データや注文データを「Paid」に自動で送信するようにできれば、請求を完全自動化することも可能です。

Paidの導入で請求業務が効率化した事例

実際にPaidのサービスを導入して、請求業務が効率化した事例を紹介します。

導入企業 三菱自動車工業株式会社
業種 WEBサービス

三菱自動車工業株式会社では、電動自動車やプラグインハイブリッド車のユーザーのためのサポートプログラム「三菱自動車 電動車両サポート」をスタートするにあたり、法人向けの掛売サービスを探していたのが、「Paid」の導入のきっかけでした。

【Paid導入前の課題】

新サービスの立ち上げにあたり、法人会員はクレジットカードを所有しているケースが少ないことから、掛売に対応できる決済代行サービスの導入が不可欠でした。数千件の請求や回収、フォローを自社で行うのは、人員体制の面から難しい状況でした。

【Paid導入後の効果】

「Paid」の導入によって、法人向けに紙の請求書の作成や郵送を行う業務が不要となったため、業務の効率化を実現できました。支払方法を銀行振込と口座引落を選択できるため、取引先の利便性の向上にもつながっています。

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まとめ

国税関係の帳簿や書類の電子データでの保存を行うことは、経理の業務効率化やテレワークを導入するための体制づくりに役立ちます。ただし、電子帳簿保存法では適用の要件が決められており、電子データ保存やスキャナ保存は税務署への申請が必要だったり、システムの導入にコストがかかったりします。

メリットとデメリットをしっかりと認識したうえで、電子帳簿保存法を適用するかどうかを判断するようにしましょう。

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