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サブスクリプションビジネスとは?~市場規模とBtoB収益モデルの成功事例

2019年流行語大賞ノミネート30語に選出され、テレビやネットニュースなどでよく見かけるようになった「サブスクリプションビジネス」。これはビジネスモデルの用語なのか、あるいは決済方法の用語なのか?さまざまな場面で使用されているため、どのような種類のものなのか、判断をしかねることも多いのではないでしょうか。こちらでは、サブスクリプションビジネスとはなにか、具体的な事例を交えながら見ていきましょう。

目次
  1. サブスクリプションビジネスとは?
  2. サブスクリプションの収益モデル
  3. 日本のサブスクリプションビジネスの市場規模
  4. サブスクリプションビジネスの成功事例
  5. 失敗事例に学ぶサブスクリプションビジネスの課題
  6. サブスクリプションビジネスのメリット・デメリット
  7. 日本で展開されているサブスクリプションビジネス
  8. サブスクリプションビジネスにまつわるマーケティング用語・指標
  9. 今後のサブスクリプションビジネスの将来性
  10. まとめ

サブスクリプションビジネスとは?

サブスクリプションとは、料金を支払うことにより一定期間サービスを受けられるビジネスモデルのことです。定期購読、定額課金ともいわれており、1ヶ月や1年間分の料金を支払い、毎日好きな時にサービスやコンテンツを楽しめるようになる仕組みが採用されています。最近耳にする機会が増えたサブスクリプションビジネスは、後述するようにすでに身近なところで広く利用されています。

サブスクリプションの収益モデル

サブスクリプションは、今までの価格×販売数で売上を計算するといったものではなく、利用料金×顧客数で計算をしていきます。その都度購入をする従来のビジネスモデルとは異なり、決められた期間一定の金額が支払われるため、売上の見通しを立てることが容易となります。

類似した言葉には「定額制」「継続課金」などがあり、国内においては基本的な考えは同じです。一方、海外では日本と少々異なり、お客様が求める必要なサービスを必要な分のみ提供していくサービス、と位置付けられています。

日本のサブスクリプションビジネスの市場規模

日本でサブスクリプションといわれている定期購読や継続課金は、今までも身近に存在していました。なぜ最近になり、サブスクリプションビジネスの注目度は増しているのでしょうか?

近年では、物を所有することに感じる価値が薄まりつつあり、所有しなくても必要な時に利用できれば良いという考えが若者を中心に強くなっています。矢野経済研究所が公表した市場動向調査によると、サブスクリプションビジネスの2018年度の国内市場規模は5627億3600万円、今後5年間市場規模の成長を続け、2023年には8623億5000万円にまで拡大すると予測されています。

サブスクリプションビジネスの成功事例

近年では商品を購入するよりも、好きな時に好きなだけ利用するという志向が強まっています。

その代表例にはカーシェアが挙げられます。定額料金で好きな車を好きなだけ乗ることができるほか、駐車場の心配もなくなるため、利用者は増加の一途をたどっています。

海外の事例

サブスクリプションは、新しいタイプの定期購入型の販売モデルとして、米国では2012年ごろから急速な広がりを見せています。海外のサブスクリプションビジネスのBtoB・BtoCそれぞれの成功事例を見ていきましょう。

BtoBでの成功事例

マイクロソフトは、サブスクリプションビジネスへの方向転換を図っています。これまではパッケージ買い切り型で、バージョンアップごとに再度購入をしなければ最新のものを使用することができませんでした。

サブスクリプションビジネスとして登場したパッケージの代表例は「Office365」です。月額、または年額料金を支払うことにより、常に最新バージョンのアプリケーションを利用できます。コストダウンになるということで、多くの企業を取り込むことに成功し、日本でも同じサービスが展開されています。

BtoCでの成功事例

サブスクリプションを取り入れた音楽配信大手サービスのApple Musicは、2018年7月には業界シェア1位となりました。アーティストの最新作を紹介することに力を入れた結果、多くの有料会員を獲得できたとされています。

米国においては、最新楽曲が配信開始と同時に大きな話題となることが多く、ミュージックビデオの配信にも力を入れていたことからもシェアが拡大したと分析されています。

日本国内の事例

米国で盛り上がりを見せたのち、日本にもサブスクリプションビジネスの波はやってきています。ここ最近では、定額プランや使い放題といったサービスが増加しています。実際にどのようなサービスが展開されているのか、具体的に見ていきましょう。

BtoBでの成功事例

日本では、複合機・コピー機の大手であるリコーが、サブスクリプションビジネスを展開しています。クラウド型のアプリをインストールすることにより、いつでもどこでもスキャンした文書を確認できるようになりました。

リモートワークを取り入れている企業が増えている昨今では、会社にいなくても作業ができると需要が高まっています。特別な設備投資が必要とされないこともあり、採用する企業が増えてきています。

BtoCでの成功事例

株式会社ストライプインターナショナルは、ファッションサブスクリプションサービスのメチャカリ(MECHAKARI)を展開しています。これは月額定額制で洋服が借り放題のサービスとなっており、クリーニング不要で返却できる利便性も後押しし、近年話題を集めるサービスとして急成長しています。

常に新品が届き、気に入った服は割引で購入も可能と、手軽にファッションを楽しめるツールとして人気です。

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失敗事例に学ぶサブスクリプションビジネスの課題

市場規模の拡大を続けるサブスクリプションビジネスですが、成功している会社もある一方で、失敗に終わった事業もあります。

失敗してしまう理由には、サブスクリプションビジネスの課題である「解約率」が関わっています。ユーザー側から見たサブスクリプションビジネスのメリットとは、料金範囲内で自由に好きなだけサービスを受けられることです。月ごとの利用数規定といった縛りや、パッケージングされた商品で使用しないものが多すぎる場合などは、解約率が高くなってしまいます。

また、サブスクリプションビジネスでは初期投資や多数の商品確保が必要になるため、利用者数が増えずにコストのみが膨れ上がり、サービスを撤退する事例も見られます。利用者数が増えない原因は、プロモーション不足であったり、ユーザーを引き付ける商品の種類不足であったりとさまざまです。

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サブスクリプションビジネスのメリット・デメリット

サブスクリプションビジネスのメリットとデメリットを、事業者側と利用者側、双方の視点からそれぞれ見ていきましょう。

サブスクリプションビジネスのメリット

継続課金は中長期的に売り上げが発生するので利益の見通しが立てやすく、新たに継続課金形式のビジネスを始める企業が増えています。

事業者側

サブスクリプションビジネスでは、利用者が解約しない限り売上が継続するため、売上の試算を行いやすくなります。また、利用状況を細かく把握できるため、利用者がどのようなサービスを求めているのか、何を利用しているか、集計を取ることが可能です。この情報は新規ユーザー獲得の戦略策定にも転用できます。

利用者側

一定金額を支払えば、自由にサービスを利用できるので、高いコストパフォーマンスを得られます。映画や書籍見放題サービスの場合は、普段見ないジャンルのものも気軽に見ることができ、興味の幅が広がります。また、サブスクリプションの場合、ほとんどが物を所有することがないため、置き場所や管理が不要になります。

サブスクリプションビジネスのデメリット

継続課金は中長期的に売り上げが発生するので利益の見通しが立てやすく、新たに継続課金形式のビジネスを始める企業が増えています。

事業者側

代表的なデメリットに挙げられるのは、利用者を集めることが困難であることです。また、利用を開始したとしても使い勝手が悪い場合はすぐ解約されてしまうので、常に新鮮なコンテンツや企画を取り入れる必要があります。場合によっては利用料金の入金確認をリアルタイムに行わなければならないため、手間と労力がかかります。

利用者側

パッケージとして販売していることが多いため、興味のないものや利用しないものも含まれています。便利で手軽なコンテンツが多いため、次々にサービスの契約をしてしまうことにより、結果として費用がかさんでしまうことも考えられます。

日本で展開されているサブスクリプションビジネス

日本でも様々なジャンルがサブスクリプションビジネスを展開しています。

自動車業界

代表的なサービスはカーシェアです。さまざまな車種に乗ることができるようになるほか、車庫や維持費の心配をすることがなくなります。

ファッション業界

必要な洋服を気軽にレンタルできるサービスが登場しています。プロのスタイリストが選んだ服が届くサービスもあり、トレンドの服を着続けることができます。

音楽業界

多くの音楽を好きなだけ聞くことができ、サブスクリプションビジネスの代表的なサービスのひとつとして認知が進んでいます。

動画配信サービス

ドラマや映画、アニメなどの見放題サービスです。ラインアップはサービスにより異なり、良質なコンテンツの獲得が各社の間で加熱しています。

飲食業界

一定料金を支払うことにより、1日1回食事をとることが可能なサービスが登場し、話題となっています。

サブスクリプションビジネスにまつわるマーケティング用語・指標

注目を集めているサブスクリプションビジネスですが、その説明にはさまざまな用語が使用されています。サブスクリプションビジネスをより深く理解するために、同時に考えられることの多いマーケティング概念を説明します。

LTV(顧客生涯価値)

サブスクリプションビジネスにおける顧客単価は一般的に「LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)」で管理しています。LTVとは、顧客が生涯を通じてもたらされる利益のことを指し、一般的には商品やサービスへの愛着が高いほどLTVが高まるとされています。

顧客がサービスを使い始めてから使い終わる(解約)までの支払総額になるので、LTVが高いということは長期にわたってサービスを利用してくれているということと同義です。解約をせずにサービスを使い続けてもらうために、カスタマーサクセスの概念と合わせて重要視する企業が増えてきています。

ChurnRate(解約率)

Churn Rate(チャーンレート)とは、解約率を表す指標です。サブスクリプションビジネスにおいて、解約率は常に対策を講じなければならないものであり、サービスによっては退会率や離脱率と表現されることもあります。

Churn Rateは【月間の解約利用者数÷月初の利用者数】で算出され、月初にいる利用者のうち、月末までにどれくらいが解約してしまったのかを表します。

Churn Rateを毎月追うことにより、ユーザー数の動向予測が可能となり、中長期的な計測により事業に大きなインパクトをもたらす、重要な指標といえます。

MRR(月間経常収益)

MRR(Monthly Recurring Revenue、マンスリーリカーリングレベニュー)は、月間経常収益のことで、利用者が増えると増加し、利用者が減ると減少します。毎月得られる利益のことを表すので、月間定期収益や、月次経常利益と表現することもあります。

利益の増加や減少の分析は、サービスや戦略の適切な見直しへとつながります。MRRの測定により、サブスクリプションビジネスでどのくらいの利益を獲得できているか、今後起こすべきアクションは何かが具体化されます。

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今後のサブスクリプションビジネスの将来性

サブスクリプションビジネスは今後も規模の拡大が予想されています。アイデア次第では、あらゆるサービスをサブスクリプションビジネスとして展開できるため、新規ジャンルへの進出も見込まれています。

進化を続けるサブスクリプションビジネスですが、売上確保のためには、確実に利用料金の回収を行わなければいけません。しかし、集金には時間や手間、労力がかかるもので、未回収リスクも常に付きまといます。そのため、サブスクリプションビジネスでは、決済サービスの導入が有効です。

Paidは、BtoBの後払い(掛売り)における面倒な決済業務をすべて代行するサービスです。サブスクリプションビジネスにおいては決済方法に口座振替が採用される場合が多いですが、Paidでは口座振替はもちろん、銀行振込やコンビニ払いにも対応。利用者の支払い方法の幅を広げることで、売上拡大を実現できます。さらにPaidの「定額自動請求」という機能を利用すれば、最初に顧客情報と請求金額・請求日を登録するだけでその後は自動で取引先に代金を請求し、入金確認や督促まで行ってくれます。売掛金の保証も付いているため、未回収の心配もありません。さらにAPI連携すれば、請求業務を完全自動化することも可能です。サブスクリプションビジネスに最適な決済手段と言えるでしょう。

まとめ

すでに身近なビジネスとして浸透しているサブスクリプションビジネス。導入する企業は今後も増え続け、市場はさらに拡大していくと予想されています。多くの成功事例が話題となる一方で、失敗・撤退事例も見られます。成功のためには、サブスクリプションビジネスのメリットとデメリットを把握し適切な戦略を立てること、代金の支払いをもって売上となるため決済方法を賢く選択することなどが求められます。

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