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SaaS型ビジネスモデルとは?~成功した企業の事例や収益安定化のためのサービスを紹介

昨今、ソフトウェアを提供する形態として、「SaaS」型が注目を集めています。しかしSaaSという言葉は聞いたことがあるものの、いまいちどのようなビジネスモデルなのか理解できていない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、SaaS型ビジネスモデルについて詳しく解説すると共に、そのメリット・デメリットを紹介します。またSaaSをビジネスに取り入れたことで成功を収めた企業の事例や、収益安定化につながるサービスについてもお伝えします。

目次
  1. SaaS型ビジネスモデルとは
  2. SaaS型ビジネスモデルのメリット
  3. SaaS型ビジネスモデルのデメリット
  4. SaaS型ビジネスモデルで重要な指標
  5. SaaS型ビジネスモデルの企業・サービスの成功事例
  6. PaidでSaaS型ビジネスモデルの収益を安定化
  7. まとめ

SaaS型ビジネスモデルとは

SaaS(Software as a Service)とは、事業者側のサーバー上にあるソフトウェアを、インターネットを介して利用できるサービス形態のことです。パッケージ型のサービスと違い、利用者はソフトウェアをPCなどの端末にインストールする必要がないのが大きな特長です。

SaaS型のビジネスモデルが注目されている背景としては、サブスクリプション(サブスク)型のビジネスモデルが普及していることが挙げられます。「必要なときに、必要な機能だけ利用する」ことができる“サブスクモデル”は、低コストで利用ができるため導入ハードルが低く、インストールの必要がないので管理も不要といった利便性の高さから、多くのユーザーに利用されるようになりました。

さらにSaaSは顧客の声を聞きつつサービスのアップデートを行えることもあり、「Zoom」や「Adobe」といった有名企業をはじめ、SaaS型でサービスを提供している企業の多くがリリース後もサービスの定期的なブラッシュアップを重ねています。

サブスクリプションとの違い

サブスクリプションとSaaSは、それぞれが指す“範囲”が異なります。具体的には、サブスクリプションが「課金形態」を意味するのに対し、SaaSは「サービス形態」を意味する言葉です。

繰り返しにはなりますが、SaaSとはクラウドを通じてソフトウェアを利用できるサービスのことで、サービス提供の際にサブスクリプション型の課金モデルを採用するケースがほとんどです。混同されがちですが、SaaSはあくまでサービスの提供形態のひとつのため「SaaS=サブスクリプション」という認識は誤りです。

関連記事 サブスクリプションビジネスとは?~市場規模とBtoB収益モデルの成功事例

SaaS型ビジネスモデルのメリット

SaaS型のビジネスモデルがここまで普及しているのは、サービスを利用するユーザーにとっての使いやすさはもちろん、サービスを提供する企業にとっても収益化につながりやすいメリットがあるからといえます。具体的に企業にとってのメリットとして、下記が挙げられます。

  • 収益を継続的に得られる
  • リリース後も商品を改良できる
  • 顧客の育成がしやすい

収益を継続的に得られる

前述のとおり、SaaSビジネスの多くはサブスクリプション型で提供されています。サブスクリプション型であれば、解約されない限り決まった収益が入ってきます。買い切り型であれば一度に大きな収益を得ることができますが、SaaSは単価としては低いものの販売後も継続的な収益が見込める点がメリットです。使い続けてもらうことができれば、買い切り方で得られる収益よりも高い収益を得ることも可能です。

また定額の収益が一定期間得られることが決まっているので、収益の見込みを立てやすく、長期的な戦略を立てやすいのもメリットです。

リリース後も商品を改良できる

リリース後もソフトウェアを改良し続けられる点も、SaaS型ビジネスモデルを採用するメリットのひとつです。

SaaSの場合、ソフトウェア本体はベンダー側に置かれています。つまりベンダーとしては、ソフトウェアにいつでも改良を加えられる状態です。そのためユーザーに対し、常に最新版のソフトウェアを提供することが可能です。

販売後もブラッシュアップを重ねられるということは、完成形ではなく、ベータ版として最低限の機能でリリースし、随時新機能を追加していくことで完成に近づけていくことができるということです。利用者のニーズを元に改善を続けることができれば、より継続的に使ってもらえるサービスになっていくでしょう。

顧客の育成がしやすい

SaaSにおいては、まずは無料プランや低価格のプランなどで導入のハードルを下げ、より多くの新規顧客を獲得しやすいのが特長です。さらに、上述した通り「常に最新版を使える」といった点からユーザーの期待値も高めておけるため、ロイヤルカスタマー創出にもつなげやすいビジネスモデルとしても知られています。

無料プランで獲得した新規顧客をロイヤルカスタマーに育成するスキームを定着させることができれば、安定した収益の獲得にもつながるのがメリットです。

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SaaS型ビジネスモデルのメリット

SaaS型ビジネスモデルを成功させるには、サービスを使い続けてもらうことがカギです。その実現のためには、以下に挙げるいくつかのデメリットを理解しておくことも重要です。

  • 収益化できるまでに時間がかかる
  • アップデートが滞ると解約につながりやすい
  • カスタマーサポートの負担が大きい

収益化できるまでに時間がかかる

SaaSのビジネスモデルでは、まず無料プランや低額プランでユーザーを獲得することが多いため、初期段階でのキャッシュインはほぼ期待できません。顧客に長く使ってもらったり、単価の高い上位プランに変更してもらったりすることで、はじめて収益化が見込めます。初期のキャッシュアウトが大きく、投資回収まで時間がかかるため、場合によっては運転資金が枯渇する可能性がある点には注意が必要です。

SaaSの提供を始めるにあたっては、運転資金を多めに調達しておく、初期コストをできる限り抑える、などの対策も求められるでしょう。

アップデートが滞ると解約につながりやすい

SaaSにとって重要なのは、解約率をいかに下げるかということです。そのためには新機能の追加などのアップデートが欠かせません。また使いにくい部分があっても解約に繋がってしまうので、ユーザーからのフィードバックに基づいたサービス改善も求められます。こうしたアップデートが滞ってしまうと、解約率が上がってしまうかもしれません。

こうしたリスクを避けるためにも、継続的に開発を続けられる体制を社内に整えておくことや、長期的な目線で顧客の満足度を上げるための戦略立案が必要です。

カスタマーサポートの負担が大きい

SaaSは「ユーザーを長く留めること」が特に重視されるビジネスモデルです。サポートが手薄だとユーザーに満足な顧客体験を提供することができず、競合他社に移ってしまう一因になりかねません。丁寧なサポートが求められることから、カスタマーサポートの負担はどうしても増えてしまいます。

そこで、新規ユーザーがサポートなしでもサービスを活用できるようになるまで導くこと、いわゆる「オンボーディング」が重要な鍵となります。適切なオンボーディングによってサービス導入後の顧客満足度を上げることができれば、解約が起こりにくく、より安定した収益につなげることができます。

SaaS型ビジネスモデルで重要な指標

SaaS型ビジネスモデルを取り入れる際は、次の5つの指標(KPI)を意識しましょう。

指標 概要
MRR 1ヶ月の経常収益
ARR 1年間の経常収益
LTV 1顧客(1アカウント)から生まれる総利益
CAC 顧客獲得にかかるコスト
Churn Rate 解約率

MRR

MRRとは、毎月決まって得られる「1ヵ月の経常収益」を表す指標のことです。SaaSのようなサブスクリプション型ビジネスの場合、定期的な収益が事業継続の生命線となるため、毎月の成長性を把握できるMRRは極めて重要な指標といえます。適正な指標とするためにも、初期費用やコンサルティング費用などの単発の売上は計算に含めないのが基本です。

MRRの計算式は、以下のとおりです。

MRR= 1ユーザーあたりの月間平均収益× 該当月の総ユーザー数

たとえば1ユーザーあたりの月間平均収益が5万円、その月の総契約数が100ユーザーの場合、MRRは500万円となります(5万円×100ユーザー)。

ARR

ARRとは、毎年決まって得られる「1年間の経常収益」を指す言葉です。MRRが1ヵ月単位なのに対し、ARRは1年単位で計算します。またMRRと同様に一時的な収益は含めません。年間を通してどのくらいの収益が見込めるのかの予測を立てることができるので、業績目標のKPIとしたり、ビジネスの成長度合いを確認する指標として利用できます。

ARRの計算式は、以下のとおりです。

ARR= 月間の経常収益(MRR)× 12ヵ月

たとえば月間の経常収益が100万円の場合、それを12倍した1,000万円がARRとなります。

将来予測がしやすいことから、投資家がその企業の「バリュエーション(企業価値評価)」を算定する際にも用いる指標だということも重要なポイントです。

LTV

LTV(顧客生涯価値)とは、契約期間内における1社、もしくは1人からの平均収益を表す指標です。顧客をつなぎとめるためのマーケティング施策が健全に機能しているか、利益がしっかり出ているか、といったことを判断するうえで役立ちます。LTVを高めることができれば安定した収益が見込めるため、先行投資もしやすくなります。

LTVは、代表的な計算方法として次の算式で求められます。

LTV= 平均顧客単価(月)× 収益率× 購買頻度× 継続期間

たとえば平均顧客単価が月5万円、収益率が50%、購買頻度が月1回(年12回)、継続期間が2年の場合のLTVは60万円です(5万円×0.5×12回×2年)。

サービス導入当初は解約率が安定しないため、事業が軌道に乗り始めたタイミングでLTVを算出するのがおすすめです。継続率をアップしたい場合は、顧客の利便性を高めることを目的に、決済方法に口座振替を導入するのも一つの手です。

関連記事 口座振替サービスとは? ~手数料の比較と導入企業が得られるさまざまなメリット

CAC

CACとは、1社(1人)の顧客を獲得するためにかかるコストのことです。CACがLTVを下回ることで黒字化を達成できるため、CACを正確に把握しておくことは欠かせません。

CACは、以下の算式で求められます。

CAC= 顧客獲得にかけたコスト÷ 獲得した顧客数

顧客獲得コストが月に100万円かかり、新規獲得顧客が50社だとすると、その月のCACは2万円です(100万円÷50社)。

CACは、LTVの3分の1が健全な値とされています。ひとつの参考として覚えておきましょう。

Churn Rate

Churn Rateとは、「解約率」を指す言葉です。Churn(チャーン)と略して用いられることもあります。顧客の契約期間を延ばすためには、いかに解約率を下げるか、つまりChurn Rateをいかに低く抑えられているかが重要な指標になります。

Churn Rateにはいくつかの算式がありますが、ここでは代表的な求め方を紹介します。

Churn Rate= 一定期間中に失った顧客数÷ 当初の顧客数× 100

たとえば月初の顧客数が500人、月末までに失った顧客数が50人だった場合、Churnは10%です(50人÷500人×100)。

SaaS型のビジネスモデルは売って終わりではありません。解約されずに利用してもらうためにも、Churn Rateを定期的に分析し、高い理由を特定して改善していくことが求められます。

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SaaS型ビジネスモデルの企業・サービスの成功事例

Zoom

ビデオ会議ツールのZoomは、定額課金モデルとしては後発ながら、顧客満足にフォーカスした開発、そしてSkypeなどと連携することで離脱を防ぎ、新規ユーザーを着実に増やしていきました。大企業だけでなく、中小企業や個人までを含めた幅広いターゲティングを行い、顧客の裾野を広げていった点も特筆すべき点として挙げられます。

Zoomには「品質にとことんこだわり、コツコツ改善する」という企業文化が、サービス開発の根底に流れています。こうした文化、開発姿勢に関しても多くの企業が学べる点があるでしょう。

企業名 Zoom Video Communications
サービスの分野 ビデオ会議ソリューション
成功の要因
  • 「顧客満足」に徹底的に焦点を当てたサービス開発
  • 競合をあえて排除せず、サービスの連携を図った
  • 入念なターゲティングを実施し、新規顧客を開拓

Adobe

Adobeは、「Photoshop」や「Illustrator」をはじめ、主にデザイナー向けのソフトウェアサービスを提供しています。もともとは買い切り方でサービスを提供していましたが、SaaS型への転換に成功したことで知られています。

最小購買価格を可能な限り抑えることでユーザーの獲得に成功し、画像サービス「Adobe STOCK」などの提供によって1ユーザーあたりの売上アップも実現しています。リリース後のアップデートも徹底しており、ユーザーの定着に一役買っています。

企業名 アドビ株式会社
サービスの分野 コンピュータソフトウェア
成功の要因
  • 最小購買価格を抑えたことでユーザー獲得に成功
  • 「Adobe STOCK」などの提供により、1ユーザーあたりの売上アップを実現
  • リリース後も新しい機能やサービスを次々と導入

Chatwork

Chatworkは、ビジネス向けのチャットツールです。

基本サービスを無料で提供する戦略、いわゆる「フリーミアムモデル」を採用し、その後に有料プランを提供する、といった料金体系をもとにユーザーの獲得に成功。ITにそこまで馴染みのない中小企業をメインのターゲットにしていることもあり、簡単な操作性を追求し、利用者の口コミをもとに新規ユーザーを獲得する仕組みも確立したことで、セールスに頼ることなく日々、数千ユーザーが登録する人気サービスへと成長を遂げました。

こうした数々の戦略にも多くの企業が参考となる点が多いでしょう。

企業名 Chatwork株式会社
サービスの分野 ビジネス向けチャットツール
成功の要因
  • フリーミアムモデルを採用し、導入のハードルを下げた
  • 中小企業をターゲットとし、簡単な操作性を追求
  • 利用者の口コミをもとに新規ユーザーの獲得に成功

PaidでSaaS型ビジネスモデルの収益を安定化

SaaSビジネスにおける決済の重要性

これまで説明してきた通り、SaaS型ビジネスモデルでは獲得したユーザーの継続的な利用が、安定した収益を生み出します。しかし新規顧客の獲得において、意外に見落とされているのが決済方法の重要性です。

BtoBビジネスにおいては、請求書払いが一般的です。しかしSaaSのようなクラウドサービスでは、クレジットカードにしか対応していないサービスが多いのが現状です。しかし実は法人カードの保有率はそこまで高くなく、クレジットカードしか決済方法がない場合、個人のカードを使わざるを得ず手続きが面倒で利用を見送る、そもそも会社として請求書払いしか認められていないため利用ができないといったケースが発生します。

多くの企業が請求書払いの導入を見送っている理由として、下記が挙げられます。

  • 与信審査ができない
  • 請求業務に割けるリソースがない
  • 未回収リスクが不安

SaaS企業に選ばれている企業間決済サービス「Paid」とは

こうした課題を解決し、安心して請求書払いを導入するために検討したいのが、決済代行サービスの導入です。企業間決済サービスの「Paid」は、与信管理や請求書発行、入金確認といった請求業務をすべて代行し、さらに万が一未入金が発生しても代金を100%保証します。特に、Paidには取引先の拡大とLTVの向上につながる特長が多いことから、多くのSaaS企業に導入されています。

PaidがSaaS企業に選ばれている理由

Paid導入により取引先を拡大した事例

導入企業 Chatwork株式会社
業種 WEBサービス

【Paid導入前の課題】

請求や督促業務が手間でクレジットカード決済にしか対応していなかった。そのため大手企業をはじめ、請求書払いを希望する顧客を取りこぼしが発生していた。

【Paid導入後の効果】

請求書払いに対応できたことで今まで取りこぼしていたお客様にもリーチできるようになり、売上の拡大につながった。督促などの請求業務も不要になったので、バックエンド業務にかかっていた時間を事業拡大に向けた業務に注力できるようになった。

関連記事 決済手段が増えたことでより多くのお客様にリーチできるように~Chatwork株式会社

まとめ

サブスクリプションビジネスの台頭もあり、SaaS型ビジネスモデルに関してはどの企業も無縁ではいられなくなっています。企業・ユーザー双方にメリットの大きい手法のため、自社のビジネスをスケールさせていきたい場合は導入をぜひ検討してみましょう。一方で競合も多いSaaSビジネスにおいては、取りこぼしや解約が致命傷になりかねません。確実に取引先を拡大し継続取引につなげるためにも、「Paid」でリスクなく請求書払いに対応することも検討しましょう。

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