- 単価が低いため請求書払いだと赤字になってしまう
- そのためクレジットカード決済しか選択肢がなかった
- ターゲットとなる地方のSMBだとカード保有率が低く、
機会損失の発生が懸念
- 諦めていた請求書払いの導入が実現できた
- 狙い通り地方のSMBではPaidの利用が多い
- 機会損失を発生させず利用者数を順調に伸ばせた
サービス提供開始から1年半で4000社以上が利用
貴社の事業内容・サービス・商品の内容を教えてください。
弊社は、会員登録者数が約200万人いる履歴書のオンライン作成サービス「yagish」を軸に、いろいろなビジネスを展開しています。このサービス自体は無料で利用できるのですが、例えば履歴書をコンビニで印刷する際や、AIを使って志望動機を作成する際に課金いただくのが、BtoC向けの課金モデルとなっています。
さらに、この約200万人のユーザに対してダイレクトスカウトを送ることができる「yagioffer」というBtoB向けのビジネスモデルも展開しています。オファーが1社1万円~という破格の値段でスタートできるサービスで、ありがたいことに提供開始して約1年半で、累計利用社数が4000社を超えるところまで成長してきています。

ダイレクトスカウトのサービスはかなり高額なイメージがありますが、1社1万円~という価格で提供できるのはなぜでしょうか。
yagishのユーザの集め方が特徴的で、これまでほとんど広告費をかけずにSEOだけで獲得しています。履歴書を作成しようと思うと、まずGoogleなどの検索エンジンで「履歴書」と検索する方がほとんどです。弊社のサービスはその検索結果でだいたい3位以内に表示されるので、そこで多くの方に登録いただけています。1日あたり新規で約2500人、月間5~6万人くらい登録があり、これを費用をかけずに獲得できているのが大きな強みです。
ダイレクトスカウトの一般的なサービスだと、 そもそもユーザを獲得するのに非常にお金がかかるのですが、我々はそこに費用がかかっていないので、この価格帯でもサービスの提供ができています。
決済方法による機会損失をなくしたい
「yagioffer」の決済方法としてPaidを導入いただきましたが、導入前はどのような決済方法をご用意されていましたか。

クレジットカード決済のみでした。もちろんBtoBのサービスなので請求書払いにも対応したかったのですが、前述の通り我々のサービスが1件1万円~と非常に安価なので、請求書を発行するだけで赤字になってしまいます。
ですので、とにかく人手をかけずに決済できる方法以外は取り扱えないという制限から、クレジットカード決済しか用意できなかったというのが真意です。未回収のリスクもないですからね。
そこからPaidの導入を検討することになった理由を教えてください。
yagiofferのお客様は、SMBでかつ地方の企業様が多いのが特徴です。首都圏のスタートアップなどであれば法人カードの保有率が比較的高いと思いますが、地方の歴史が長いような企業様だとそもそも法人カードを持っていないことも珍しくありません。
そうした企業をターゲットに販促活動をするとなったときに、クレジットカード決済だと取引ができないお客様が出てくる可能性があります。それは単純に機会損失でしかないですよね。実際に、お客様から請求書払いに対応してほしいという要望をいただくこともありました。
そこで何か対策が必要だとなったときに、私の前職の会社がPaidを使っていたのを思い出して社長に提案したところ、ぜひ導入しようということになりました。
導入にあたって不安な部分などはありませんでしたか。
懸念で言うと、弊社のシステムとそもそもちゃんと連携できるかという部分と、あとはお客様にしっかり利用してもらえるかというのはありました。 連携周りに関して開発は比較的スムーズにできたのですが、やはりお客様への案内の部分では、お客様がPaidへの申込みの導線を理解できずに離脱してしまうというのが序盤は発生していました。
そこで、Paidのマニュアルを作って支払い方法の「請求書払い」の選択肢の横に付けたのですが、それによって問い合わせもなくなり、お客様にもシームレスに購入いただけるようになったかなと思います。
狙い通り、地方のSMBをメインにPaid利用率が伸長
そうした工夫もしていただいたことで、Paidを利用されるお客様は増えていったのでしょうか。

はい。マニュアルを作ってからは順調に増えていて、特に代理店販売経由のお客様で利用が増えています。直販で購入されるお客様は弊社のサービスを初期から知っていただいているような流行に敏感といいますか、感度の高いお客様が多いです。
そうしたお客様はクレジットカード決済でも抵抗がないのかもしれませんが、代理店経由の場合は最初にお話ししたような地方のSMBで個人のカードしか持っていないようなお客様も多いため、より請求書払いのニーズが高いのではないかと思います。
実際にどのくらい利用率に差がありますか。
直販の場合はクレジットカード決済の方が多いのですが、代理店経由の場合はクレジットカード決済とPaid決済が半々くらいになっています。ただ現状直販自体はほぼクローズしていて代理店販売がメインなので、Paidを利用いただくお客様が非常に多い数字になっています。
決済方法による客単価などの違いもあれば教えてください。
具体的な数字で出したことはないのですが、月に数回利用されるお客様や数十万円~100万円を超えるような大口のお客様は、Paid決済を利用されています。増額申請をさせていただくお客様も結構いるので、客単価はPaid決済の方が高いと思います。クレジットカード決済では、そうした大口で購入されるお客様はあまりいらっしゃらないですね。
正直、請求書払いの導入は諦めていました
一番メリットに感じているのはどんな点でしょうか。

企業にとって、「売掛金の回収」は一番頭の痛い問題だと思います。その代行を安い手数料で実現していただいているのが、非常に感謝している部分です。
また法人カードを持っていない企業様と、弊社のような単価が低すぎて自社では請求のコストを負担できないサービス提供者にとって、そこを繋いで掛けでの取引を可能にしていただけるのは大きいですね。
正直、請求書払いの導入は諦めていたので、そこを解決できたのが本当に助かっています。クレジットカード決済しかなかったら、そもそも利用者がここまで伸びていなかったと思うので、導入してよかったです。
最後に、今後の展望を教えてください。
まず我々は上場を目指しており、今はその直前ということもあるので既存の事業を伸ばしているところなのですが、上場後はこの履歴書を活用していろいろなサービスを展開していきたいと思っています。例えば履歴書には住所が載っていたり、次の仕事を探すのに家探しもついてきたりしますので、そこから不動産周りのサービスができる可能性もあり得ます。
また、yagishはオンラインのサービスですが、オフラインの拠点も作りたいなと思っています。カフェ業態のようなかたちで、仕事探しができたり、エージェントと直接会えたり、企業が直接スカウトに来たり、といった場を提供していきたいです。
あとは弊社の代表が韓国出身ということもあり、今後は海外進出も視野に入れています。特にアジアにて同じように履歴書のビジネスモデルを展開していくというのが、これからの一番の展望です。
会社名 | 株式会社Yagish |
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住所 | 東京都渋谷区東1丁目12-2 NAGAI.BLDG3F |
事業内容 | 履歴書/職務経歴書作成サービスの提供/ダイレクトリクルーティングサービスの運営 |
URL | https://www.yagioffer.com/ |
担当者名 | 橋本 和英 様 |